どうも、若ハゲ番長です。
最近、街中でよく献血カーを見かけることがあります。
医療系のテレビドラマなどを見ていると、大きな病院の待ち合い室で慌てた看護師さんが、
「〇〇型の血液が足りません!患者様の中で、この血液型の方はいらっしゃいませんか?」
と言う展開から多くの人が協力して、めでたしめでたしとなる、お決まりのシーンを目にします。
ドラマと分かっていても、心温まりますよね。
ちょっと勇気がいりますが、誰かのために貢献できるなら、献血をやってみてもいいかなと考える方は多いと思います。
ですが、ちょっと待ってください!
プロペシアを内服している場合は献血をしてはいけないことになっています。
これを知らずに、もしプロペシアを飲んでいる男性が献血をして、その血液が輸血されてしまうと、最悪の場合、他人の生命を危険に晒す可能性さえあります。
とは言え、実際は献血をするにあたり、事前の問診や厳格な検査があるので、事故に繋がる可能性は低いです。
ですが、なぜプロペシアを飲んでいるだけで、献血をしてはいけないのでしょうか?
そこで今回は、プロペシアを飲んでいる人が献血できない本当の理由や、献血を行うための条件などについて、解説してまいります。
ぜひ、参考にしてみてください( ´∀`)bグッ!
服用中の献血は禁止!その理由とは?
プロペシアを内服中の方が献血できない理由は、プロペシアの有効成分である、フィナステリドが持たらす影響です。
AGAは男性ホルモンのテストステロンが、ジヒドロテストステロン(DHT)に変化し、DHTが毛根を攻撃することで起こります。
フィナステリドはこのDHTの生成を抑える働きがあります。
だからAGA治療薬として有効なのですが・・・
しかし、この作用ゆえに女性には困ったことがります。
女性はフィナステリド禁忌
プロペシアの添付文書に書かれている通り、女性は服用禁止ですし、触れることも禁止になっています。
(フィナステリドは経皮吸収される、つまり触るだけでも皮膚から吸収される可能性があるため、触れることも禁止になっています)
じゃあ、なぜ女性がフィナステリドに触れてしまうとまずいのかとう言うと、フィナステリドの作用によって奇形児が生まれるリスクがあるからです。
上にも書いたとおり、フィナステリドは薄毛の原因物質であるDHTを抑制します。
これが妊婦さんにとっては問題になるのです・・・(´・ω・`)
胎児の発達におけるDHTの役割
DHTは胎生期において、胎児の生殖器の形成、発育に関わるため、このときにDHTが抑制されてしまうと、健全な成長が阻害されてしまう可能性があります。
大人になってからは、DHTの働きによって脱毛や前立腺肥大症など、困った作用もありますが、胎児や子どもにはDHTは必要なものなんですね。
そのため、女性がフィナステリドに触れることは厳禁となっているわけですね。
フィナステリドは血液中にしばらく残留
そして、更に困ったことに、
プロペシアを内服した後、血液中にフィナステリドが入りますが、その濃度が半減する時間(半減期)は、プロペシアの添付文書の記載によると、内服後3〜4時間とされています。
つまり、これから3,4時間ごとにフィナステリドの濃度は半分になっていきます。
一気に抜けるわけではなくて、半分ずつになっていくというのが重要なポイントで、
半分ずつになっていくだけなので、なかなかゼロにはならないんです。
具体的に完全にどれくらいフィナステリドが抜けきるかについては、個人差もあるためはっきりしたことは言えませんが、完全にフィナステリドが体から抜けてしまうには1ヶ月程かかります。
女性に輸血されると奇形児の可能性?
これまで解説してきたように、フィナステリドはDHTを抑制しますが、この作用は妊婦さんにとっては危険なものです。
そして、フィナステリドは服用後しばらくは血中に残り続けます・・・。
そう、もうおわかりの通りです。
プロペシアを飲んでいたのが男性であっても、
その血液が女性に輸血されてしまうと・・・
そして、その女性が妊娠中だったら・・・
大きなリスクが生じてしまいます。
こういう理由で、プロペシアを服用中の人の献血は禁止されているわけですね。
こういった状況が起こることは稀だとは思いますが、万が一でもリスクがある。
そして、それが防げるリスクであれば防いでおきましょうってことですね。
プロペシア以外もフィナステリド製剤を服用中は献血禁止!
日本国内ではプロペシアだけでなく、フィナステリドのジェネリック医薬品として各社からも後発品が販売されています。
当然、有効成分としてフィナステリドが含まれている医薬品はジェネリックであっても、服用中は献血ができません。
また、個人輸入代行で購入する事ができる海外のフィナステリド製剤も同様です。
プロペシアだけでなく、他のフィナステリド製剤にも気をつける必要があります。
プロペシア以外のフィナステリド製剤の一例を上げておきます。
フィナステリド錠1mg(ファイザー)
フィンペシア(インド・シプラ社)
フィナロ(インド・インタス社)
プロスカー(米国メルク社)
フィンカー(シプラ社)
など。
これらのお薬を飲まれている方も、献血は厳禁ですので、ご注意ください。
フィナステリドジェネリックについては、こちらで一覧にしていますので、参考にしてみてください。
献血が可能になるのは服用中止後1ヶ月
ここまで、プロペシアと献血について出来ない理由などをお話ししてきましたが、プロペシア等のフィナステリド製剤を内服しながら献血する方法は、ありません。
献血をする場合には、体内からフィナステリドが完全に抜けた状態にする必要があります。
上に書いたとおり、フィナステリドが完全に体内から排出されるのには約1ヶ月かかります。
なので、献血するためには少なくとも1ヶ月はフィナステリドを中止する必要があります。
献血できるようになるのはフィナステリドを飲まなくなってから1ヶ月以上経ってから、ということですね。
デュタステリドは6ヶ月献血禁止
また、デュタステリド製剤も、服用中の献血は禁止となっています。
デュタステリドはフィナステリド製剤以上に強くDHTを抑制し、また半減期もフィナステリドよりはるかに長いです。
そのため、デュタステリドの場合は服用中断後も6ヶ月間は献血禁止です。
デュタステリド 製剤で、入手できる製品の一例を挙げておきます。
ザガーロ
アボダート(アボルブ)
デュタス
デュプロスト
ベルトリド
デュタボルブ
デュタプロス
以上が主な製品名になりますので、こちらも内服している場合は、献血できないことを覚えておいてください。
デュタステリド製剤については以下の記事で一覧を作っているので参考にしてみてください。
間違って献血してしまった場合の対処法
フィナステリドを飲んでいるのを忘れて、うっかり献血をしてしまって、後でそのことに気づいた場合、どうしたら良いのでしょうか。
まずは、献血時に渡される文書に連絡先が記載されているので、そちらへ連絡してください。
また、その際に採血番号も記載されているので、併せて伝えるとその後の対応がスムーズになります。
妊活への影響は?
ここまで、プロペシアを内服している場合は献血が禁止されている理由等について解説してきました。
話を聞いて、妊活中の男性はプロペシアを飲むのが怖くなってしまったかもしれません。
ですが、僕は妊活中にプロペシアを飲んでも問題はないと考えています。
クリニックでも「プロペシアを服用しながらパパになった人は普通にいる」と聞いてますし、男性が飲んでいるだけであれば影響はないと思います。
逆に、プロペシアを飲むと子どもが出来ないんじゃないかと思いながら、妊活を続けた結果、精神的に不安定になることの方が問題だと思います。
プロペシアと子作りについてはこちらの記事で書いていますので、チェックしてみてください( ´∀`)bグッ!
まとめ
今回はプロペシア服用中に献血ができない理由について解説してきました!
まとめると、
プロペシアはDHTを抑制する
DHTは胎児の性器形成に影響し、妊婦がプロペシアを飲むのは危険
プロペシアを飲んでいる人の血液が妊婦に輸血されると問題
ということですね。
また、
プロペシアは服用中止後も1ヶ月間
デュタステリドは服用中止後も6ヶ月間
献血ができないので、注意してください。
僕もAGA治療を始める前はちょくちょく献血をしていました。
でも、AGA治療を始めてからは結局一回も献血には行ってないです。
フィナステリドを飲んでない期間もあったりするんですが、なんとなく行ってないんですよね。
理論的に血液中に残留してないことは分かってても、なんとなく・・・なんですよね。
わかりますかね?
この気持。
街角で献血の募集をしているところを見かけるたびに複雑な気持ちになっています。
ですが、上の服用中止期間をあければ献血は問題なくできますので、ぜひ、抵抗ない方は献血に行ってもらえればと思います。
ではでは。